『活性酸素消去因子を用いた水ストレス感受性の評価』

 植物は水ストレス下において一般的に気孔を閉じるため、二酸化炭素の取り込みができなくなり、カルビン・ベンソン回路の活性が低下してしまう。この状態で光が当たり続けると、過剰に産生された電子の多くが酸素を電子受容体として利用し、活性酸素の生成が促進することが知られている。

 活性酸素は高い酸化力を持ち、DNAやタンパク質に障害を与えてしまうといわれる。発表者は、植物がもつ活性酸素によるストレス(酸化的ストレス)を軽減・回避するための抗酸化物質や活性酸素消去系酵素に注目し、酸化的ストレスと水ストレス感受性に高い相関があるという仮説をたて、これまでいくつかの実験を行ってきた。

 今回のセミナーでは、これまでの結果の発表と、抗酸化物質のうちで抗酸化力が高いといわれているビタミンEおよびCのレヴューを行う予定である。


堂前