「サラカヤシの開花習性および有効受粉期間の特定」
「サラカヤシにおける溶液受粉の有効性」
サラカヤシはインドネシアのジャワ島を原産する熱帯果樹である。雌雄異株であり、四季咲きであるため、確実な結実のためには人工授粉が必要で
あるが、年間を通して収穫を見込むことができる。しかし、タイ東部において、乾期である3月から4月、雨季のはじめである5月から6月には結実率が大きく低下する。この原因を明らかにし、人工受粉による結実の安定化を図るためには受粉や受精に関わる諸条件を調べる必要がある。そこで、人工受粉に必要な条件である開花時間と有効受粉期間についての調査を行った。開花時間については開花数の推移を経時的に記録し、有効受粉期間については開花後から人工受粉の時間を変化させ、結果率を記録して調査した。また、既存の人工受粉では刷毛が用いられているが、雨の日には人工受粉の効率が落ちてしまうことが問題となっている。気候条件に影響を受けない人工受粉の方法の一つとして溶液受粉の有効性を調査した。溶液受粉の有効性については既存の人工受粉との結果率の違いを比較して調査した。