【タイトル】
バタン諸島のキダチトウガラシに関する報告

【要旨】
発表者はこれまで、沖縄に分布するキダチトウガラシがインドネシアから伝播した可能性が高いことを明らかにした。しかし、その伝播経路の途中に位置する東南アジアの島嶼部におけるキダチトウガラシの情報が皆無であった。前回は沖縄のすぐ南に位置する台湾においてキダチトウガラシの現地調査をおこなったので、今回は台湾のすぐ南に位置するフィリピンのバタン諸島へおもむいた。

5月の下旬から6月上旬にバタン諸島の3島(バタン島、イトバヤット島、サブタン島)でキダチトウガラシの現地調査をおこなった。キダチトウガラシの系統収集のほか、キダチトウガラシ(トウガラシ属)の現地名、利用・加工方法、自生の有無などについて聞き取り調査をおこなった。その結果を写真をまじえて報告する。また、今回の調査結果と前回の台湾におけるキダチトウガラシの調査結果を比較検討し、キダチトウガラシの分布や伝播について考察する。